おぼえがき

食べ物と健康にまつわる情報についてなんやかんや言って楽しむためのブログです。

牛乳の死亡率よりも脂肪量のほうが気になる


牛乳をたくさん飲むと骨折率や死亡率が上がる、という研究結果が発表される - GIGAZINE

スウェーデンでの研究です。

この調査結果から、牛乳の消費量と死亡率や骨折頻度の間には関係性があることが明らかになっています。女性の場合、1日に3杯以上牛乳を飲む人は、1日1杯以下しか牛乳を飲まない人と比べてなんと1.93倍の死亡率であったことも明らかとなっており、股関節を骨折する確率は60%高く、骨折全般で見ても15%も割合が高くなることが判明しています。

スウェーデン人女性の死亡率と牛乳の摂取量に最も大きな関連性が表れており、男性の場合は1日の牛乳摂取量が多いからといって死亡率が高くなる、ということはほとんどないようです。また、骨折全般でみるとあまり大きな差がないようですが、股関節の骨折だけで見てみると男女ともに牛乳の摂取量が多くなると骨折率が高くなっていることも分かります。

「股関節骨折」ってなんだか聞きなれないですが、骨粗しょう症の人に多い骨折部位で
具体的には、大腿骨の頸部(骨盤とくっついている部分)の骨折をさします。

今回は40代以上の人を調査していますが、骨粗しょう症を予防するためには子どもの頃~若い頃にカルシウムを摂取して骨量を上げておくことが大切です。
40代以降のカルシウム摂取に意味がないわけではないと思いますが、骨量を上げることはできません。
なので、若年期までの牛乳の摂取量も関係があるのではないかと思います。。

1日3杯以上、っていうのもなかなか極端な気がします。
2006年の調査によると、スウェーデン人は1年間に1人当たり145.2kgの牛乳を摂取しているそうです。これは1日あたり400gにあたります。
日本人は35.8kg、スウェーデン人の1/4です。
スウェーデンでは1日に3倍以上摂取している人も少なくないのかもしれませんが、日本ではそこまでする人はなかなかいなそうです。

死亡率が上がる原因として、牛乳に含まれるラクトース*1が分解されたガラクトースが老化に影響を及ぼすためだと考えられています。
ラクトースを分解する酵素を持たないラクトース不耐症(牛乳を飲むとおなかがゴロゴロするっていうあれです)の人には、この結果が当てはまらないかもしれないと論文中では述べられています。

ガラクトース以前の問題として、牛乳の飲み過ぎは脂質の摂り過ぎにつながります。
日本栄養士会 栄養相談Q&A 牛乳はカルシウム豊富だから、いっぱい飲んでもいいの?」から引用しますと

  普通牛乳100g(約97mL)中には3.8gの脂質が含まれています。水の代わりに牛乳を飲むと、1L以上の牛乳を1日に摂取することになります。仮に1L(約1000g)摂取すると、牛乳からの脂質摂取量が約40gとなります。1日2000kcal程度の推定エネルギー必要量の場合、好ましい脂質摂取量は約45~67g程度ですので、牛乳を多量に摂取すると脂質の過剰摂取が懸念されます。
(中略)
 一方で、牛乳摂取400ml程度では、血中コレステロールの上昇や体脂肪率の増加は見られないという報告があります。カルシウムは日本人の食習慣では不足しやすい栄養素であり、牛乳は有効なカルシウム源であることから、1日200ml以上、400ml程度までの摂取を目安とすると良いでしょう。

なにごとも過ぎたるは及ばざるがごとしということでしょうか。

追記

同じ論文を記事にした別のサイトをみつけました。


牛乳の飲み過ぎは健康に悪い?スウェーデン研究 写真1枚 国際ニュース:AFPBB News

ここでは、牛乳と骨折率の増加は「因果関係の逆転」である可能性があるとされていました。
骨粗しょう症の人ほど牛乳をたくさん飲むので、骨折する人ほど牛乳を飲んでいる、という状態になっているかもしれない、とのこと。なるほど…

*1:ガラクトースグルコースが結合した糖