おぼえがき

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「健康格差社会」を生き抜く/近藤克則

格差が健康に及ぼす影響と
そんな「健康格差社会」で自分がどうしていけばいいか、
社会がどうあるべきかについて書かれた本です。
「生き抜く」というタイトルの通り、社会状況の説明にとどまらず、今後の方向性も示されている点に好感を持ちました。

格差と健康の関係について、今までの私の理解では
格差が生じる→よくない生活習慣(食生活の乱れなど)→健康が損なわれる
という認識でした。
これも確かに一要因ではありますが、この本の主張としては
格差によるストレス(職業によるもの)や、社会関係(自分と社会との関わり)が重要だそうです。意外。

「格差」というと所得が高ければ高いほどいいと思われがちですが、
絶対所得よりも相対所得の格差が健康に影響を及ぼしているそうです。
平均年収400万のなかで500万円の年収を得ているとき(Aとします)と、
平均年収700万円の中で600万円の年収を得ているとき(Bとします)を比較すると、
絶対所得はBのほうが高いにもかかわらず、BよりAの状況を避けたいと考える人のほうが多いそうです。
なるほど。

でもそうやって考えると、相対的な格差は小さくできてもなくなることはないのでは?と思いました。
誰かが1位になればビリになる人も出てくる、
平均値を出せば半分の人は平均以下になる*1のも仕方ないことかと思います。
人との対比をやめて、個人の尺度で物事をとらえるようにすれば、ストレスも軽くできるのでは?
と、ここまで読んだところでは思っていました。

第3部に書かれている「自分一人でできること」のなかでも、
物事に対するとらえ方を変えることでストレスを軽くする方法(認知行動療法)が紹介されています。
ただ、こういうことができる人はそもそも格差の上層にいる人だと指摘されています。確かにそうかも。
環境に介入し改善していくことで、下層にいる人が健康行動に取り組みやすくなったり、ストレスを減らせたりするようにすることが大事なのだそうです。

健康づくりをするうえでは、やっぱり手軽さって大事だなあと再認識した次第。
ストレスマネジメントももっと勉強してみたいです。

*1:正規分布していればの話