おぼえがき

食べ物と健康にまつわる情報についてなんやかんや言って楽しむためのブログです。

動物実験のデータを引き合いに出すこと


「栄養ドリンク」「トクホ」に潜む重大問題 | 5日連続特集 ヤバすぎる!ドリンクの裏側 | 東洋経済オンライン | 新世代リーダーのためのビジネスサイト

↑こんな埋め込み方もできるのか、知らなかった。Facebookみたいですね。

というわけで、上記の記事の感想を書いていこうと思います。

ドリンク中の安息香酸

取り上げられたデータは、

安息香酸Naを2%および5%含むエサを与え、ラットを4週間飼育した実験で、5%群のラットはすべて過敏状態、尿失禁、けいれんなどを起こして死亡した。

そして、これに対して

もちろん市販のドリンクには5%も入っていません。清涼飲料水の場合、安息香酸Naを添加できる量は最大で0.06%。しかし、それほど毒性の強いものを使用していることが問題。

としています。

安息香酸ナトリウムの含まれる清涼飲料水として、栄養ドリンクが挙げられていますが*1
栄養ドリンクはたいてい1日1本100ml。
すると、最大量が添加されていたとしても、1日に60mgの摂取となります。

動物実験では、エサ全体に含まれていた濃度でしたが
人間での値は、1日にたった100mlしか飲まない飲み物の濃度です。
これだけの摂取で、1日に2%や5%なんてなるはずがありません。

もっとも5%というのは、致死量の話ですので
低くてもなんらかの健康被害は出ると考えられますが、
安息香酸のグループADIは一日当たり・体重1kgあたり5mg。
体重60kgの人で1日300㎎ですから、それでも下回っています。

天然も安全ではないけれど…

続いて、カラギナン。
これは既存添加物*2のひとつで、ADIは設定されていません。(既存添加物でも設定されているものもあります)

近年、加工豆乳にカラギナンが含まれているそうです。
このカラギナンに対する実験データとして、

カラギナンを15%および25%含むえさをラットに50日間与えた実験では、4日目から下痢が始まり、25%群では血便が見られた。8日目からは背中の毛が抜け始め、25%群ではメスが激しく抜けている。さらに、ラットにあらかじめ発がん性物質を与えたうえで、カラギナンを15%含むえさを与えた実験では、結腸腫瘍の発生率が高まった。

これはさすがに、カラギナン食べさせすぎでしょ、と思うしかないです。。

動物実験のデータの使い方

添加物の毒性を調べるためには、毒性が出る高濃度まで動物に与えて実験をして
その結果からどれだけ食べても安全かを判断することになります。
なので、毒性を評価しようとされたことのある成分ならば、どんな成分でも
「○%で~~の被害が出た」という報告は見つけられるはずです。

それをもとにして安全な摂取の仕方を考えるのがリスクの考え方なはずなのに、
この記事の前提として「動物実験で危険性が確認された=摂取してはいけない」となっていて
せっかくのデータが、世間を不安にさせるために利用されてしまっているのではないか?
という疑問が浮かんでしまいました。

量について把握すること

「危険性が確認された」ではなく、
「どれぐらいなら食べても安全か?」という基準で考えたいと私は常々思っていますが、
結局食品中にどれだけ含まれているのかは、書いていないのでわからないのですよね。
さすがに豆乳中に、1日の食事の15%に相当するカラギナンが含まれているとは思っていませんが…

各食品にどれぐらいの量が入っているのかをはっきり書くようになったらいいのかなと思いつつ、
逆に不安を煽るだけかもしれないし、
スペース的に無理があるかもしれないし、
どうするのがよいのだろうかと思っているところです。。

*1:栄養ドリンクは清涼飲料水ではなく医薬部外品が多いとは思うのですが…

*2:古くから使われてきた天然の素材であるため安全とされている物質